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~kemnpusの気紛れ日記~ 仕事柄更新・レスが遅れる場合があるけど許してネ


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『一触即発』 / 四人囃子(1974年)

『一触即発』 / 四人囃子(1974年)_c0128722_16414931.jpg

四人囃子。
十代半ばにしてピンクフロイドを完璧に演奏する、
そんな圧倒的な迫力と技量で名声を欲しいままにして、
実質上のメジャーデビューとなる『一触即発』の時点ですでに伝説的存在だったという。
『一触即発』 / 四人囃子(1974年)_c0128722_17495724.jpg

『一触即発』が発表された1974年、僕はまだ9歳の小学生でした。
洋楽はおろかロックよりまだ「およげ!たいやきくん」の方が良かった時代です(笑)
そんな僕がいつどうして四人囃子に出会ったか?

数年が経った恐らく6年生のころ、中学生の姉貴が変なカセットテープを聴いていた。
同級生の「安楽死」(←当時ありがちな名前)というアマチュアバンドのライブ音源だった。
まず姉貴の友達がエレキギターを持ってステージに立ってるということに驚いた。
(今思うと上手い下手を置いても中学生で四人囃子をコピーするという行為自体すごい!)
直接安楽死を観ることはなかったが、この事はやがて「オレもギターが欲しい!ロックをやりたい!」という気持ちの始まりだったのでは?と思う。

そして彼らがやってる曲が今まで聴いたことのない不思議な音楽だった。
興味を示していると姉貴が「これがオリジナルの四人囃子だよ」とその友達に録音してもらったカセットを貸してくれた。
その90分テープは78年のアルバム『包 Bao』あたりまでを網羅した独自の編集盤だった。
姉貴はちょっと貸したつもりだったが、そのテープはその後何年も僕の部屋から出ませんでした。まさにテープが伸びるまで聴いた。

とにかく衝撃受けましたね。
実は僕は今でもプログレ(彼らが手本とするピンク・フロイドやイエスなど)には抵抗感があって、
でも四人囃子は違うんです。
恐らくはビートルズやツェッペリンなど色んな音楽を消化してポップであったりハードであったり、
そんな多面性に加え何より日本語でロックをやってることが飽きさせない要因だった。

特に『一触即発』などの初期において森園勝敏が奏でる時に過激で時に繊細なギターと共に、
作詞家の末松康生のノスタルジックで文学的な詞の世界は、
10分を超える大作もつい最後まで聴かせてしまう。
例えるなら江戸川乱歩の小説を一気に読みきってしまうあの感覚とよく似ている。
言葉は偉大で、今でも色あせない。

でもここでいくら詩を書き連ねても良さは伝えられない。
森園勝敏のなんとも甘いストラトキャスターの音色、
岡井大二の変拍子を駆使した力強いドラムとそれに絶妙に絡む中村真一の奏でるベースギター、
末松の詩の世界を的確に色付けする坂下秀実のオルガン、
暗くどこか内省的な森園のボーカル。
こららすべてが交じり合って四人囃子なのです。

それにしても今だ飽きず今だ新鮮というのはかなり異常だ。
この歳になって確信があります。
キザな言い方だけど、四人囃子はビートルズと一緒に僕の遺伝子に組み込まれてしまった。
死ぬまで一生聴き続けることは間違いないです。
『一触即発』 / 四人囃子(1974年)_c0128722_17501848.jpg

by kemnpus-ken | 2008-06-11 18:01 | 音楽