~kemnpusの気紛れ日記~ 仕事柄更新・レスが遅れる場合があるけど許してネ


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Taking The Long Way / DIXIE CHICKS

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「これはもはやDIXIE CHICKSではないな」
2006年のリリース時CDショップの店頭で試聴した時の印象だった。
トラックを次に送っても送っても期待していた音が出てこない。
以来長い間買うのをためらってたアルバムです。

wikiによればそれまでのDIXIE CHICKSの人気の要因は以下に要約される。

第1に彼女たちは外部の作詞家を使っているが、2つのレコードの半数で作詞に関わっていること。
第2にそのグループのブルーグラスとカントリーとの融合が購入層に幅広くアピールしたこと。
第3にビジュアルのイメージが「かわいい」「冗談ぽい」「強烈」と幅広かったことである。
(これはあくまで個人による一般論である)


少なくともカントリーテイストの音楽を求めて彼女達の音楽に触れていた僕には受け入れがたい変化だった。
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ファンには周知のことではあるが”変化”には理由があった。

「みんなは知っていると思うけど、私たちはテキサスから大統領がでたことを恥ずかしく思うわ。」
—ナタリー・メインズ (2003年3月10日)


この発言はイラク侵攻を準備しているアメリカ政府とブッシュ大統領(当時)に向けられたものである。
ちなみに彼女達もテキサス人である。
ロンドンのライブ会場でヴォーカルのナタリーがこのように発言し、これがとてつもない大事件へと発展した。

彼女達は議論の的となる一方、各方面からバッシングを受け、テレビ・ラジオなどのメディアから拒否され、命をも脅かされる脅迫を受け続けたのである。

当時の模様は想像にすぎないが、9.11以降でアメリカ全体が真珠湾以来のヒステリックな状態にあったことを考えると、ジョン・レノンのキリスト発言を上回る衝撃だったと思われる。
ポップスターの発言に対するアメリカ全土の反応の大きさにジョージ・W・ブッシュ大統領自身が異例のコメントを発表したほどだ。

「ディクシー・チックスは心情を自由に述べた。彼女たちは言いたいことは言うことができる… 発言によってレコードを買いたくないと思う人たちのために損害を与えられるべきではない。このように自由には2方向の向きがあるのだ。私は本当にディクシー・チックスが言ったことを気にしていない」(ジョージ・W・ブッシュ)

DIXIE CHICKSは発言の一部に謝罪を入れながらも基本姿勢を崩さなかった。
「私は大統領へのどんな敬意も義務で負わされているとは思いません」(メインズ)
ふてぶてしさは健在だった。
CHICKS(ヒヨコたち)は翼をボロボロに傷つけながらも、ある意味でのパトリオット(愛国主義)を貫いたのだ。
そんな混乱に対するアンサーシングル・Not Ready To Make Niceを含むカムバックアルバムがこの「Taking The Long Way」だった。
変わって当たり前なのだ。
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そんな僕が何故このアルバムを買ったのか?
他でもないナタリー・メインズの歌声がどうしようもないくらいに大好きで、過去3枚のアルバムを聴き比べるうちに「彼女ならどんなスタイルでも感動させてくれるに違いない」という確信に至ったからである。

エミリーのバンジョー、マーティのフィドルは思ったより奥に下がり、魅力のひとつである3声ハーモニーも控えめ。
バンドらしさが薄れ、ナタリーのソロアルバムであるかの第一印象だ。
悪く言うならシェリル・クロウの退屈な部分を集めたような印象だったりもする。
(ちなみに僕はシェリル・クロウのファンである)

しかし固定観念を捨て聴き込むにつれゆっくりゆっくり沁み込んでくる良さがあるように思える。
本当にナタリーは凄いシンガーだと改めて思った。
本アルバムで一番重要であろう歌詞への理解が得られないのがもったいない。

現在クルマでヘヴィローテーションで聴いています。
気がつくとアメリカがまた好きになっている、そんな風に思える優れたアルバムでした。
喰わず嫌いはいけないね(笑)

最後に感動的なアメリカ国歌を。
この会場に居合わせたら俺たぶん号泣してるな。
だって今泣いちゃってるもん(T T)

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by kemnpus-ken | 2010-06-03 00:16 | 音楽